強烈に思い続けることの大切さ

稲盛和夫氏は、『生き方』(サンマーク出版)の中で、松下幸之助氏の講演を初めて聴いたときのエピソードを紹介しています。

かなり昔の講演会で、松下氏は有名なダム式経営の話をしました。ダムを持たない川というのは、大雨が降れば大水が出て洪水を起こす一方、日照りが続けば枯れて水不足を生じさせてしまう。そこでダムを造って水をため、天候や環境に左右されることなく水量をつねに一定にコントロールする。それと同じように、経営も景気の良い時こそ景気の悪いときに備えて蓄えておく、そんな余裕のある経営をすべきだ、という内容の講演だったそうです。

やがて、講演が終わり質疑応答になったとき、一人の男性は不満げにこう述べます。「ダム式経営ができれば、たしかに理想です。しかし、現実にはそれができない。どうしたらそれができるのか、その方法を教えてくれないことには話にならないじゃないですか」。

これに対して、松下氏は苦笑を浮かべながら、しばらく黙っていたそうです。そしてポツリと、「そんな方法は私も知りませんのや。知りませんけども、ダムを造ろうと思わんとあきまへんなあ」とつぶやいたと言います。

この「思わんとあきまへんなあ」というつぶやきは、システムトレーダーである自分自身にもそのまま当てはまる言葉だと感じました。利益を貯めるために、堅固なルールを求めて、ネットに情報を求めたり、投資本を読み漁って必死に検証を行いますが、なかなかエッジを見つけることができない。やっと見つけたエッジも利益を生み出さない。そんな苦しい日々の連続で、システムトレードで利益を得続けることは難しいのではないか、という思いが頭をよぎることさえあるかもしれません。しかし、システムトレードで利益を蓄える、という思いを強烈に抱き続け、求め続けるなら、必ず優位性のあるルールを見出し、利益を得ることができる、そんな力を与えてくれる言葉に感じました。

難しい局面に至ったときには、この「思わんとあきまへんなあ」を思い起こすようにしたいと思います。

 

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